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波多野さんとエディさんが帰った後も事務所に残る重苦しい空気。
「ったく、いつまで下向いてんだ馬鹿ども。おい、雅人電話かせ」
「え?あ、うん……」
チッ、と舌打ちをして受話器を受け取った悠一さんはどこかに電話をかけ始める。
「適当に10枚頼む。住所は……」
なにやら話をした悠一さんは俺に受話器を投げる。
「おっ、投げないでくださいよ……てかどこに電話したんすか?」
「ピザ屋」
その返しにキョトンとしたのはきっと俺だけじゃないはず。
「ちょうど夕飯時だろ。腹が減るから気分も落ちる。分からねぇもんを考えてたって仕方ねぇ。とにかく飯食って寝て、あとは明日考えりゃいいんだ」
「……それもそうだね」
「悠一さんが、そうおっしゃるなら……」
「そういえば僕おなかペコペコ~」
すこしギクシャクしながらもみんなが普段通りの態度に戻りつつある。
やっぱすげぇな、悠一さんは。
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