幻影の誘い-前編-

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届けられた大量のピザを前に最初こそ沈んだ雰囲気だったものの、時間とともにいつも通りの明るい笑顔が溢れていた。 「亜狐、ピーマン残すな」 「えええ、いいじゃん~、しょーちゃんお願い!食べてよ~」 「そんなことよりこのゲテモノピザ!誰か食べてくださいよ!ぜんぜん減ってない」 「お前が食えばいいだろ」 ギャーギャー騒ぎながらテーブルの上を綺麗にする頃にはみんないくらか吹っ切れたような顔をしていた。 「悠一さんて、やっぱすげぇっすよね」 「そうだね」 ゴミの片付けを一緒にしていた雅人さんが顔をあげて微笑む。 「昔からそうなんだよね。人を持ち上げるのが上手いっていうか、別にお世辞言ったりして持ち上げてるわけじゃないんだけど……なんていうかモチベーションを上手く調節してくれるんだよね。カリスマ性っていうのかな、たった一言二言で周りの人の気持ちを変えちゃう」 めんどくさがりなふりしてるけどほんとはリーダー気質でみんなを放っておけない人。
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