幻影の誘い-後編-

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ドレスにタキシード。 きらびやかな装飾に豪華な料理。 どこを取っても"パーティ"と呼ぶにふさわしい。 『カメラの電源を入れろ』 ブッ、と音がして耳元から聞こえる指示に従ってネクタイピン型の小型カメラのスイッチを入れる。 ちなみに俺達も浮かないようにそこそこ正装してる。 こういうカッチリしたやつ苦手なんだよなあ。 『全員映像おっけーっス~。ひとまず皆さんの声はこっちにだけ届くようになってるんで、そっちから全員に伝えたい時はインカムのボタンを長押ししてくださいっス!』 悠一さんとエディさんたちとハイエースで待機してる秋津くんの声に返事をする。 『予定通りはじめの1時間は全員暗証番号の搜索。その間に暗証番号を入力する場所も見つけつつ館内をまわれ。いいな?』 「了解」 翔さんと顔を見合わせ捜索を開始する。 俺達の最初の担当場所は、 「メインの大ホール、だな」 圧倒されそうな人数に、翔さんも重々しくつぶやいた。
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