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「とは言ったものの、聞いて素直に答えてくれるもんすかね」
「確かにな。まあとにかく話してみるしかないだろう」
「ですね」
と、思って手近な人から順に話を聞いたものの……
「完敗、すね」
まるで同じずっと人に質問しているかのように全員知らないの一点張り。
「よくよく考えれば悪魔を召喚したいと思っているヤツらに阻止する側の俺達が話を聞いても協力的に話してくれるわけがないな」
「ちょ、翔さん、その冷静な分析めっちゃへこむんすけど」
はぁ、とため息をついた俺の耳に波多野さんの声が届く。
『暗証番号入力機器らしきものを発見。場所は2階西側1番奥の部屋』
「っ!!」
よし、これで課題のひとつはクリアだ!
なんて喜んでいられたのもつかの間。
『けど、新しい問題ができちゃったみたい』
『なんだ』
『置き手紙があったよ。"みっつのうち、ふたつはダミー。ダミーに暗証番号を入力した場合もちろん装置は止まらない。しかし間違えた暗証番号を入力した場合はその瞬間に装置は動き出す"だってさ』
ちっ、と悠一さんの舌打ちが響く。
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