始まりは唐突に

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じゃその教授の可能性はないな…… 「教授は関係ないのか……?」 ううむ、とうなっていると微笑みながら顔をのぞき込まれる。 「んだよ」 「いや?やっぱり恭ちゃんてお人好しだよね~」 「お人好しって……他に言い方ないのかよ」 にこにこ笑う宗介にムッとする。 「だって恭ちゃんいっつも教授に雑用頼まれても断らないし、この間駅で知らないおじさんに貸してあげた千円だってまだ帰ってきてないんでしょ~?」 「う゛っ……いや、困ってたし……」 「そーゆーとこお人好しなんだって~」 確かにこいつの言う通りかもしれない、けど 「それに頼ってるお前にだけは言われたくない!」 勢いよく後頭部を叩こうとしたけどスッとよけられた。 「……ついたよ」 「あ?」 いきなり暗い顔になったと思えば目の前には"推理小説同好会"の札がはられた教室。 「入るぞ」
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