幻影の誘い-後編-

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諸々撤収作業をしている中、俺は悠一さんと秋津くんと拠点に使っていたハイエースで機材を片付け中。 「なぁ」 「なんですか?」 「あん時、何言おうとした?」 唐突な問いかけにクエスチョンマークを浮かべてしまう。 「なんの話ですか?」 「外に出たらいくらでも聞いてやる、って言ったろ」 「あ……あー、あれは……その……」 あれだよ、ほら。 最後だと思ったから言おうとしただけであって、助かったなら言う必要ないというか…… 「い、まは……言うタイミングじゃない、ですよね……?」 「んなの知るか」 ですよね!!!そういう人だって知ってた!!! 「俺も聞きたいっス~」 「あ、秋津くん!?」 「俺のこと空気にして2人でいちゃつかないで欲しいっス!俺にもきかせてくださいっス!」 きらきらとした瞳に見つめれて俺も思わず…… 「っ言うわけない!!!」 その場を逃げ出した。 「てめぇのせいだぞ、秋津」 「えええ~、俺何もしてないっスよ」 "悠一さん、俺……" 「……言えるわけない」 "あなたに出逢えて、幸せでした"
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