真実の重み

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「お前は正直に思ったことを口に出せばいい。泣こうが喚こうが俺たちはちゃんと分かってる」 「っ、」 ゆっくりと頷いた俺を見て雅人さんは小さく微笑む。 「さ、帰りに美味しいものでも食べて帰ろうか!何がいい?そうだなあ……じゃあ、今日は翔のリクエストで!」 「えっ、いや……俺はなんでも……」 「翔はいつもそれなんだから……たまにはわがまま言ってよ。これ上司命令だよ」 「うっ、で、は……この辺りは海鮮が美味いと聞いたので……」 「決まり!悠、いいよね?」 「勝手にしろ」 それだけ言っておやすみモードに入った悠一さんを見て前の座席の背の部分に頭を打ち付ける。 「どしたの、きょーちゃん」 「いやもう、ほんっと思い知らされたっつーか……」 たかが6つ、されど6つの歳の差。 「敵う気がしねぇよ」 「それには僕も同意~」 6年後、2人みたいな大人になれてんのかな、俺。
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