7607人が本棚に入れています
本棚に追加
/1045ページ
「お前は正直に思ったことを口に出せばいい。泣こうが喚こうが俺たちはちゃんと分かってる」
「っ、」
ゆっくりと頷いた俺を見て雅人さんは小さく微笑む。
「さ、帰りに美味しいものでも食べて帰ろうか!何がいい?そうだなあ……じゃあ、今日は翔のリクエストで!」
「えっ、いや……俺はなんでも……」
「翔はいつもそれなんだから……たまにはわがまま言ってよ。これ上司命令だよ」
「うっ、で、は……この辺りは海鮮が美味いと聞いたので……」
「決まり!悠、いいよね?」
「勝手にしろ」
それだけ言っておやすみモードに入った悠一さんを見て前の座席の背の部分に頭を打ち付ける。
「どしたの、きょーちゃん」
「いやもう、ほんっと思い知らされたっつーか……」
たかが6つ、されど6つの歳の差。
「敵う気がしねぇよ」
「それには僕も同意~」
6年後、2人みたいな大人になれてんのかな、俺。
最初のコメントを投稿しよう!