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「っなーんだよサナ。またあのクソ幼馴染になんか吹き込まれたか?つい最近まではお前も普通に座ってたじゃねーか。」
「…カイが、普通16の男は兄貴の膝に乗らないって…」
「あのクソ幼馴染今度会ったら挨拶しねーとな。ったく、お前は人の意見に左右される男だったんだな!兄様は見損なったぜ弟よ。」
「そーだよサナ! 16だからとか普通とかに縛られてどーすんだよ!サナは俺らの事嫌いになっちゃった???だからヤなの??」
いつの間にか加わっていたまな兄も
悲しそうな目で俺を見つめてくる
「、っ、嫌いじゃ、ない、よ」
本当は俺だってこの二人が大好きだ。
生まれてずっと一緒に居るんだ。
俺の事を思いっきり甘やかして宝物みたいに扱ってくれる兄二人。
「大好きだよ…」
照れながら言った言葉に
兄二人は幸せそうに笑った。
そうして二人ともソファをポンポンと叩く
「オラ、さっさと来い」
「兄ちゃん達のところおいでー!」
あーあ
と思いながらも俺は立ち上がる
また今回も兄達には勝てないらしい。
絆されて絆されて、結局彼等からは逃げ出せない。
でも、
二人がいれば、俺は結局の所何も要らないんだから、
ま、いっか
俺は思いっきり兄二人の間にダイブした。
宝物。
この鬱陶しい兄達が、この空間が、
俺の宝物。
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