ぼく、さんちゃい

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「おいたん、ひーくんね、いちごたべちゃいの!!!」 「おーいいぞいいぞー何個でもヒナにはイチゴあげちゃうぞーおじちゃん!!!」 ぷにぷにした両手を差し出せばキラキラと三歳のヒナにとっては宝石みたいなイチゴが降ってくる。 「わああああおいたんだーいしゅき!!!」 へにゃあと笑ってイチゴをはむはむと食べ始めれば おいたんことヒナの叔父である男は思いっきりヒナを抱きしめた。 「あーーーーヒナはほんっっっとーにかわいいなあ俺のお嫁さんになってくんないかなあ」 スリスリとほっぺをヒナのぷにぷにほっぺに擦り付ければ僅かに生えた無精髭が当たるのかキャッキャ!と笑い声を上げる。 「なっヒナー俺のお嫁さんになるよなー?」 「オイ変態オヤジ、ヒナは俺の弟だ。 っつーことで、俺のトコに嫁にくるって決まってんの。ざまあ。」 ぐいっと叔父の男よりはぐっと若い少年はヒナを取り上げると苺の汁でべたべたな口周りを舐めて綺麗にしてやった。 「あっ!にぃちゃ、あーがとー!」 舐められるむず痒さに驚きながらもヒナは満面の笑みで兄に抱き付く。 「残念だったな。誓いのキスも交わし済みだ。」 小憎たらしい声音でニヤリと笑って叔父へ言い放つヒナの兄。 大学生になる男の顔は、かわいすぎるヒナの兄だと納得出来るほど整っている。 「兄貴のブラコン具合もそこまでくれば病気だぜ...」 ぼそりと文句を言いながらも取られてしまったヒナにしきりに目をやっている。 こちらのヘンタイオヤジも血縁者故、整った顔をしている。血は争えないらしい。 「なーヒナー?ヒナは兄ちゃんのお嫁さんに来るよなー??」 兄は叔父にとった態度とは全く正反対の甘い声と甘い顔でヒナに話しかける。 「違うよなーヒナはおいたんとこにお嫁さんに来るんだよなー????」 ずずいっと顔を出してきてどうやってでも可愛いヒナに選ばれたいオヤジは苺をヒナの目の前に垂らす。 「きたねーんだよ!」 「これが世間だ。少年!」 ふはははと笑うオヤジ。 くッ!と焦燥を覚えヒナを見やれば、 「ひーくん、みーちゃんがいいー」 眉を八の字に垂れさせてみーちゃん、、、、と呟くヒナ。 ガーン、と効果音がつきそうなほど落ち込むオヤジ、+ 大学生 「みーちゃん、どこお???」 ガックリ、と項垂れた。
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