ぼく、さんちゃい

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「ヒナ、来い」 もぞもぞと体を動かして兄の腕の中から逃げ出すと猛ダッシュで男の元へと走った。 吐き千切れんばかりに降られる尻尾が見える程だった。 短い手足とちっちゃな体を一生懸命動かしてみーちゃんの元へ。 「みーちゃ!」 ポスッとがっしりとした引き締まった体に抱きつけば脇に手を入れて軽々と持ち上げられる。 「ヒナ、寂しかったか?」 間近で黒い瞳に見つめられ、重低音の声で尋ねられる。 「うん、ひーくん、みーちゃんいなくってさみしかったよお?」 ぎゅううっと首元に抱きつけばチュ、と頭にキスが落とされる。 「ヒナ、いつもの。」 「あい! 」 男の声に顔を上げて 「おかえりなさい、みーちゃんっ!」 と天使の笑みで言ったヒナはちゅ、と可愛らしいキスをみーちゃんの薄い唇へ落とした。 「、、、、おいミツル、テメエ何家族でもねーくせに毎日毎日毎日毎日!俺の家に帰ってくるんだよ!!!!」 その上ヒナまで手なづけやがって、、、、 怒りに燃えながら兄はミツルに拳を向ける。 「ヒナに会いにに決まってる」 「決まってねえーんだよ!!!!こっちは変態オヤジだけで手一杯だっつうのになんっでお前まで、、、」 はああああ、と項垂れる兄 最近は入り浸り状態のオジと幼馴染のせいで全く持ってヒナとふたりっきりの時間が取れていない。 しかもヒナはミツルが大好きだ。兄の俺よりも好きなんじゃないかととってもお兄ちゃん不安です。
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