01

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「今日で1年だね」  朝の通学路を歩いている時、一歩後ろを歩いていた彼女がそう呟いた。  振り向くと、彼女――鹿野みゆき(カノ ミユキ)は長い黄土色の髪を風になびかせながら優しく微笑んでいた。 「おう」  みゆきと付き合って1年。今日は特別な日だ。 「放課後行くんだろ?」 「うん!」 「チケットちゃんと持ってきた?」 「バッチリだよ」  みゆきは、わざわざ鞄からチケット2枚を取り出し俺に見せた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加