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「だからそう言ってるでしょ!
改めて自己紹介するけど、私はシャーペン。芯が残り0.3ミリまで使えることが取り柄の百均で売ってるウニ製のシャーペン。
この世界ではこんな姿だけど、紛れもなくシャーペンなんだよ。ずっとあなたの指に収まっていた、あなたの一番の相棒!」
「一番の相棒?そりゃお前言い過ぎだわ。もし仮に本当にお前があの黒鉛で薄汚れちまった使い心地だけは抜群のシャーペンの擬人化美少女だったとして、俺はあれを下書きにしか使っていない。最終的にはパソコンに打ち込むんだから一番の相棒はやっぱりウインドウスVisutaって事にな」
「私よりあんなロートルPCの方が大切だって言うの?!ひどっ!」
「俺と一緒にラノベ作ってきたのは間違いなくアレだよ、アレ。でないと紙媒体じゃ小説投稿サイトにもアップできなかったし、誰の目にもつくことなかったでしょ。
……ってことは、Visutaもここにいるのか?もしそうならあってお礼がしたい」
「えーっ、私にはお礼無いの?!あんなに頑張って書かれてたのに?あなたの指にペンダコだって作ったのに?」
「別にペンダコはありがたくねぇわ。けど、じゃあ、ほら、お前にも一応お礼言っとくわ。世話になってないわけでもないから。
よく三年も持ったな。製造中止になるからってやたら買い込んどいたけど、結局一本目が丈夫なせいで宝の持ち腐れだ」
「それお礼いってるつもりなのー?!あり得ないでしょ!さっきのVisutaへの感謝との落差!落差!」
膨れっ面で地団駄踏む自称シャーペン美少女。上半分はあざと可愛い女の子なのに下半分のその挙動はまるで江戸時代末期の博打打ちそのもの。上下のギャップは暖気と寒気のようで、今にも停滞前線が発生しそう。
いや、実際のところ停滞しているものがひとつある。本筋だ。さっさと状況整理済ませてとりあえず屋内へ行きたい。
雪が本降りになる前にどこかへ待避しないと、海沿いの国道が通行止めになったらえらいことだ。あくまで北海道の常識だが。
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