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「正確な話をすれば頭の中、ってのとはちょっとだけ違うんだけどね。でも、主様が練り上げた世界観で構成された世界、っていう点においては、まぁ、そういう表現もありかなぁとは思いますけどね。いかがでしょうか解説の広澤さん」
「ここはサンテレビボックス席じゃねぇんだよ。関西ローカルしかわかんねぇネタやめろ。
で?何?俺の頭ん中って?夢……ってことか?」
「いやいや、夢みたいに不確実で不条理な代物じゃないよ。
………うん、じゃあ、もうちょっと具体的な言い方をしよう。
小説の中、っていったら分かりやすいかな?まぁ、それもちょっと真実からはずれるんだけど」
「小説の中………?俺の?」
「そう!主様がこれから書こうとしていた小説の中の世界なんだよ。ここは。
もっと言えば、この場面そのものが既に小説の一節ってことになるけどね。
確認のために、ちょっとこの世界のこれまでの歴史とか語ってみようか?」
「俺の書いた小説なら中身を知っているはずだ……ってか。いいだろう。よろしく。」
「えー、じゃあどっから話すかな………主様が眠っていた間のストーリー」
「そろそろ時事ネタやめんか」
「まず、46億年前にビッグバンが起きて、宇宙が誕生」
「うん、もうちょっと簡潔に。原生代とかカンブリア紀とかはこの際すっ飛ばしていいから。」
「えー、最古の哺乳類アデロバシレウスの話とか興味ない?」
「無くはないけど今は必要ない。後で一人で自然史博物館行ってくるから置いといて。
じゃあ、わかった。今西暦何年?」
「ごめん、この世界キリストが生まれてないんだよね。だから西暦って無いんだ。」
「………じゃあ平成何年よ」
「いやぁ、行き過ぎ行き過ぎ。
元和二年だよ」
「1616年か………って、それはあんのかよ!何で?!」
「1616(いろいろ)あるんだ江戸幕府」
「語録合わせみたいに言ってんじゃねぇよ。
じゃあ、何?ここ日本?日本設定?いや、俺今まで邦楽書いたことねぇはず……」
「日本史を邦楽っていうのやめて欲しいけど、まぁいいや。
ここは日本じゃないよ。ていうか、世界地図的に見ても大陸の形から何から全然違うから、
既存の世界とは全く別物の世界って考えた方がいいね。あと、世界世界うるさいよね、ゴメン。」
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