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「おうおう~、また今日もジャレちゃってるね、君たち。何?新しい遊び?」
ミネさんの笑いを含んだ声に、ようやく正気にもどったトアさんが僕を降ろしてくれた。
ハアハア言ってる・・・運動神経切れ切れなのは本当ですね、この若さで僕を持ち上げてクルクルで息切れです、救心飲んだほうがいいかもしれませんよ?
「ハルさんが僕の弟になってくれました!」
いつ承諾しました?
「へえ~そうなの。じゃあ、俺も~。」
今度はミネさんにギュウギュウされる。やはり思います、理さんのが一番いい!
「ハルは来春から俺の同居人だからね。弟を同居人に上書きだ。うりゃ!」
どうしてここでお姫様ダッコになるのですか!意味不明すぎます。この負けず嫌い!
「なんか似合いますね、ハルさんがお姫様ダッコされている絵。いいです、かわいい。」
「まじ?俺も見たい。トア、タッチ交代。」
僕は荷物のように受け渡されて今度はトアさんに抱えらえました。背がミネさんより高いから、ちょっと怖くて首にしがみついてしまいました。
「おお~ホントだ、かわいいじゃないの。そのしがみついてる感がいい!」
「ですよね~ハルさん最強ですね。」
「鉄仮面の御姫様ダッコされている図なんて怖いだけだよな~。」
「お前ら何やってんだ?休みは終わりだ!村崎、トマトの湯剥き終わらせないと仕事にならない。」
おっかない・・・やはり全身タイツだったら悪の軍団の御頭に間違いなし。
ふと沸いた疑問。言っちゃおうかな~言っちゃおうかな~言ってしまおう!
「飯塚さん、理さんをお姫様ダッコしたことあります?」
「ああ?」
ボン!っとスイッチを入れたかの如く、飯塚さんの顔が真っ赤に染まりました。
「ぶっ。」(堪えられなくて思わず噴いてしまった)
「マジですか。」(トアさん茫然)
「へええ~。」(意地悪ガキ大将の企みのような微笑みは、もちろんミネさん。)
「いいから仕事しろ!!」
グルンと音が聞こえるぐらいに背をむけてズンズン歩いていく飯塚さんを見送りながら僕たちは納得です。
「さすが理だな・・・。すげえな。なぁ?」
「ええ。」
「おそるべしです。」
僕はニヤニヤしながら思いました。
10月末ギリギリまで、僕たちの「理さん談義」はまだしばらく継続しそうです!
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