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私と真弓はシオンという秘密を共有してから2人でよく遊ぶようになった。
どんどん真弓に影響を受けていく自分がいた。
見えない世界に惹かれていった。
そして、いつも孤独で誰も自分のはけ口を持たない私は、ずっと傍にいてくれるシオンのような存在を羨ましく思う反面、真弓に対してなのかシオンに対してなのか分からない嫉妬を抱えていった。
2人の見えない絆に自分が入り込む余地はまったくないのだ。
寂しさとま何とも言えない複雑な感情が交差する。
それほどまでに私は真弓を大切な存在だと思う反面、好いてくれることに対してどこか煩わしくも感じてしまっていた。
孤独は人を歪めるというのは本当だと思う。
そんなある日の事だった。
小さい小さい稲荷の祠を学校へ登校する途中で見つけた。
小さい山に一柱構えており、寂しそうな小さい社だった。
私は花とおいなりさんを置き、お祈りしてみた。
《霊がみえるようになりたいです》
と。
すると風も全くないのに、草達も全く動いていないのに、一つだけの草が円を描いて大きく回転していた。
その不可思議な現象に恐怖を感じ、その場から素早く立ち去った。
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