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「実はね、私にも何人かいるんだ。5人くらいかな。中々のイケメン揃いだよ。」
肝を抜かれるってこういう事なのだろうか。
「見えるんですか?」
「いんや、見えないよ。でも霊能力はあるかな。
力が無いと複数体と契約なんてできないからね。」
「契約…?」
「そ、さっき読もうとしてた陰陽師の式神の契約と似たようなものかな。でも実際では使役の方法は違うけどね。
神ではないから、あたしは傍にいる霊達を総称して《式》って呼んでる。」
「式…。」
真弓以外にも見えない存在と関係のある者がいる事に戸惑いを隠せない。
しかもシオンと真弓の真実を解くカギがこんなに簡単に見つかるなんて。
それから桜とは名前を呼び捨てで呼べ会える関係となり、電話をしたりメールをしたりと徐々に仲良くなっていった。
桜は高校を卒業してそのままウエイトレスとして働いているのだという。
話しているうちにわかった事だが
式は桜の前世からの繋がりで今世も常に傍にいるらしい。
全員で五体。
全員人ならざる者であるらしい。
傍にいない時は異世界にいるとか。
そして彼女は自分の霊能力を上手く制御できない時があるらしい。
憎い相手や嫉妬の対象に無意識に呪詛を飛ばしてしまうという。
とある霊団に毎度狙われているという事だった。
しかし、彼女の話を聞いても、それでも
真弓とシオンは真実であるのかどうなのかという問題は結局解決しないままだった。
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