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冬休みも残り1週間となった。
私と真弓は真冬にも関わらず夜の高尾山を二人で登る事になった。
真弓に提案したのは自分だった。
私はこの現実から逃れたかったのかもしれない。
もしくは霊がまた見えるようになるかもしれないとそう思ったのもある。
真弓は「行こう」と悩む事なく承諾してくれた。嫌がる様子も全くない。
真弓に心から感謝した。
真弓も私も親にはお互いの家に泊まると説明をした。
高尾山口駅を出て高尾山入り口に到着する。
時刻は22時。
完全に未成年者は補導の対象となる時間帯だった。
それでもこんな、街灯のない山で補導しようなどという警察官は誰一人いなかった。
大学のサークルの集まりなのか、5、6人ほどの若者達が天体望遠鏡を担いで山に登っていく。
私と真弓は彼らとは別ルートへと向かった。
高尾山の地理はお互いあらかた理解している。
昼間に何度か観光に来たことがある為だ。
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