深淵の闇に芽吹く思い

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静かな深淵なる夜道を二人で歩く。 懐中電灯も何も持たずに静かに、時に小声で話しながら歩いた。 持ち物は防寒具と非常食とロウソクと懐中電灯だった。 ロウソクは何故か真弓が持ってきた。 此処に来てまさか怪談話でもする気かと内心ヒヤヒヤしていた。 山道を歩いて1時間程たった。 坂はかなり急でキツイ。 二人共息がきれる。 道の先から一人の小太りな男性が鈴のついた杖を持って降りてきた。 嫌な感じはしない。 お互いすれ違う瞬間に声をかけられる。 私と真弓は動じないフリをしたが内心はとても落ち着かなった。 何故なら未成年だからだ。 捕まればまずい。 「さっきね、猪がいたんだ。危ないから気をつけて登るんだよ」 優しく諭すように声をかけられ、二人でホッとしながら礼を言う。 私はそこから頂上に向かうにつれ記憶が朦朧としていった。 眠くて眠くて仕方がなかった。 ちょうど頂上の下には本殿が構える。
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