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私は何となく穿の気配を感じた。
でも見えない。
『お前なぁ…危ねぇよ。心配させんなっつーの。来ちゃったじゃん。』
どこからともなく頭に声が伝わる。
私はみるみる頬が火照るのを感じた。
心の中で穿にひたすら謝った。
タイミング良く真弓はお手洗いに向かった。
その間私は穿に尋ねる。
「真弓とか好みだったりする?」
色白で高めの甘い声でたれ目がとても可愛い。
気品と色気がある。
なんとなく聞いてみたくなった。
「あー、タイプかも。」
私は何故か分からないが何となくモヤモヤした。
「じゃあ告れば?」
コイツ…何言い出すんだよ。穿は返答に困った。
「生きてる人に告ったら迷惑だろ。俺はいいよ。」
「ふーん…。もういいよ。凛さんとこ戻りなよ。」
「え…っ、お前なぁ…。此処にうじゃうじゃ集まってきてんの見えねぇの?」
「見えない。」
「…くっ…。こんなとこで怪談話とかお前はバカなのか?」
「ほっといてよ。
凛さんの前ではぶりっ子でさぁ、わたしにはそうやって口が悪いもんね、穿って。ふーんだ。」
「…………………しらねぇからなっ。」
穿の気配が消えた。
すると身体がずっしりと重みが増す。
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