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お互い無事に帰宅した後のことである。
八王子駅で解散した後、お互いの家に帰宅してから紫乃は足りない睡眠時間を補うかのように爆睡した。
夢の中へと再び迷い込む。
高尾山にそっくりの山道を歩く。
日差しが暖かくポカポカ陽気だった。
頂上ではアキは恐ろしい形相で腕を組み、仁王立ちしてこちらを見ていた。
後ろには穿もいる。穿はなんだかオロオロしていた。
「しーのー。自分が何したか分かってる??」
「う…ごめんなさ…」
アキは紫乃の頬を優しくつねる。
「痴漢しかいない場所に痴漢してくださいって痴漢されに行くようなものだよ。
霊達のテリトリーに土足で踏み込んでいったんだ。向こうからしたら迷惑千万な輩だよ、君は。」
「はい…。」
「なんだかんだで俺もずっとそばにいたし、何もなかったから良かったってことにしようぜ?結果オーライだろ。」
穿は紫乃を庇った。
「ずっと、いたんだ…。」
いないと思ってたから嬉しいと思ってしまった。
「えっ…そりゃまぁ…なんだ。俺だって一応心配するっつーか…。お前は俺の主人だし。」
「主人…ね。」
紫乃は呟き、複雑な表情を見せたのをアキだけは見逃さなかった。
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