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紫乃はそれからはなんとなく元気がなかった。
無理矢理明るく繕っているのがバレバレだ。
穿は気づいているのにあえて気づかないフリをしているのか、それとも本当に鈍感で気付いていないのか…アキには分かり兼ねていた。
アキは二人の会話にあまり加わることなく穿と紫乃のやりとりを暫く傍観する事にしたのだった。
紫乃が帰ったあと穿に問う。
「二人を見てると思うのだが、紫乃の事はあまり異性として意識していないようだね。
」
「あーそうだな。異性の前に主人って感じだな。」
「紫乃のそばにキミの他にも強くてナイスガイな霊が守護についたらどうする?」
「ナイスガイって…」
穿は苦笑した。
「ウザくなければ別にいいんじゃね?」
お子様だな。
これでは紫乃の完全に片想いとなるわけか…。
しかし「恋愛」に関してだけは紫乃の魂は前世からの誓約がある。
恋愛してはならないという決まりだ。
例え両思いになれたとしてもうまくいかないだろう。
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