心流れる水の如く

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雪華の身体が弾けた途端、霊団の額の刻印は消え去った。 横たわっていたアキの身体がゆっくりと起き上がり、即座に紫乃とルリを見る。 アキの身体は雪華の返り血を浴びて血だらけだった。 「ルリ、紫乃を連れて逃げなさい。」 ルリは無理矢理、身体を起こそうとする。 「雪華は…死んだの?」 ルリがアキに問う。 紫乃はなにも話せないまま、あまりの雪華の呆気ない死に恐怖と不安でいっぱいになっていた。 何も考えられなかった。 「否、彼女は死なないよ。何たって怨霊だから。」 雪華の生首がごろりと動き、目がアキ達を向く。 「成る程な、正体が分かったぞ。 ヤツノカミ。 夜刀神。 貴様の正体は蛇神なのだな。 逸話であり、存在しない神だと思っていたが。 まさか祟り神とはな。その紳士面に騙されたわけか。」 生首はアキを睨み据える。 「そう呼ばれていた時代もあったね。かなり昔だけど。」
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