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「アキが無事で良かった…。」
「ありがとう、ルリ。とりあえず手当てが必要だね。」
再び紫乃は茫然と二人のやりとりを見ていた。
(もしかして私、邪魔者…??
ルリさんって言うんだ。
凄く綺麗…。)
「わ、私、戻るね。ルリさんお大事に…。」
「ありがとう。」
心のこもってない言葉だったが、あえて気にしないことにして紫乃は現実世界へと戻って行った。
紫乃がいなくなるとルリはアキを抱く腕を更に力を込めた。
「あら、私を振り払って彼女をとめないのね。」
「そしたら、ルリは怒るだろう。怒ると怪我に障るからね。」
悔しいけど何も言い返せなかった。
「もう少しだけ、こうしていさせて。
そしたらきっぱりあなたの事は…
アタシ諦めるから。」
アキは何も言わずにルリの頭を撫でていた。
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