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美術部の活動を何事もなく終わらせ、再び家へと帰る。
日常生活をしていて分かったが、どうやらまた霊は見えなくなってしまったようである。
安堵と不安が入り混じる。
霊団が来ても見えないのはいいが、防御も対策も何もできない。
完全無防備だ。
昨日の出来事で何となく家に帰るのか嫌で公園のベンチにボーッと座ることにした。
時刻は夕刻だ。
夕焼けが悲しいくらい綺麗。
公園には誰もいなかった。
「何で私、あの親に生まれてきたんだろう…」
自分のアザを見つめて涙をこぼす。
もっと両親に甘えたかった。
もっと優しくしてほしかった。
私を否定しないで受け入れて欲しかった。
何故自分だけがこんなに辛い目にあっているのか、いくら考えても紫乃には到底わからなかった。
すると急に寒気が走る。
「霊…団。」
何故かはわからないが何となくわかる。
蛇が足元に巻き付いてるのがわかる。
冷たいのが張り付いてる感触がするのだ。
どうしたものかと考えていると、知らない男性から声をかけられた。
「俺ここに引っ越してきたばかりで、何にもわからないんだ。良かったら友達になってくれない?」
紫乃は何となくこの男性から恐怖を感じた。
「すみません、私もここら辺は詳しくないので」
そう言うと足早に逃げ出した。
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