新たに蠢めく闇

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現代では日本人の人口は増え続け、人々は人の多さにどこへ行こうと苛立つ者が多い。 自然が少ないからであろう。 雪華ははるか昔の時代からこの世を傍観し続けてきた。 封印されても自我は残る。 「昔の世からこの世は変わらぬものがある。」 現代では平等だと表面上はそう繕っているが貧富の差は大きく分かれ、昔の身分制度とそう変わらぬように見える。 人々は、税を貪り取られ、働く毎日に病む。 国全体で見れば日本国は借金を背負い、政治家達は殆どが自由勝手にやりたい放題。 全て壊れてしまえばいい。 何人の人間が絶望し、そう願った事であろう。 願いはやがて力を持ち呪となり現実に現れる。 人々の願い、わらわが受け入れよう。 「けれども昔の世に比べて変わった事もある。」 信仰を忘れ、金の匂いしかしない宗教が増え、己の幸せだけを求める。 人々は見えない世界に不信を抱くようになった。 科学が発展し、物質的な事に関してのみ解明されてからというもの、解明出来ていないものに関しては、あるわけ無いと最初から否定的な感情を抱くようになった。 狭い見分がこの日本を占めている。 神々も存在を忘れられ、さぞ心痛めていることであろうか 雪華は破滅の唄を歌う。 この世の呪いを言霊にやつして歌う。
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