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不満を持つ魂
憎しみをもつ魂
悲しみを持つ魂
怒りを持つ魂
全て集まるがいい。
雪華は陰の気に支配された魂を呼び込む。
人間だけではなかった。
食肉として殺されていった動物達
人間に棄てられた動物達
人間に無残に殺されていった動物達
全ての魂は融合して大きな塊を作り、一つの歪な形となる。
わらわはもう後戻りは出来ぬ。
霊界も神界も宇宙神界も太陽神界もこの地球という箱庭の中をただ高見の見物をしている者達よ。
わらわに幾多の苦痛と苦汁を舐めさせた事、決して許しはせぬ。
人間の魂をすべて闇へと引きずり落としていく。
雪華は黒くくすんだ穢れた魂達を取り込んでいくというのに美しさが際立つ。
然しその美しさは凍てつく氷の刃のようだ。
雪華の姿は通常の霊達からも霊力を持つ者からも簡単には見えない程の力を備えた。
夜刀神の力は未知数だが、少なくとも現界の紫乃には今の雪華を見る事は出来ないだろう。
「ヤツのやり方を真似てみるか」
妄信した宗教家達や中途半端な霊力を持つ者達が1番狙いやすい。
まずはそいつらを狂わせ闇へと引きずり落とし、力を奪い取る。
霊的向上などさせぬ。
目星はついていた。
紫乃は霊的体質な者を寄せ集める。
そこに集まる者共を狙う。
そしてわらわを再び封印しようとする邪魔な紫乃と夜刀神をついでに一掃してしまえばいい。
雪華はそんな思い巡らせながら呪歌を歌い続けた。
雪華に従う何百人の下等霊達が、現界へと上っていった。
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