不穏な陰影

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自分と契約していた拘束の力も消えた。 突然自由になった。 穿はどうしていいのかわからなくなった。 自由になった途端方向を示してくれる存在がいなくなったのだ。 自分の居場所もわからなくなる。 ふと、思い出す。 紫乃の顔。 紫乃… 会いたい。 でも、もう会えない。 あれだけ傷つけたのだ。 会える筈なかった。 元主人の事など気にする様子もなく、穿は再び幽界へと消えていった。
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