不穏な陰影

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ルリとはあの出来事以来会っていないし、特別彼女に対して恋愛感情を抱いたことは無かった。 ルリは気付いたら側にいて自分を守るようになっていた。 守るといってもアキにベッタリしてたに近い。 紫乃が転生して17歳になるまでは雪華は大人しくしていたし、アキに会いに来ることはなかった。 わりと平和な日々を過ごしていた。 突如平穏な日々が崩れ去ったのは雪華と紫乃と出逢ってからだ。 ルリはアキの事はもう諦めたのか、彼女からも会いに来ることはなかった。 「あのね、今日参拝者の人に変なこと言われたの。」 『巫女さん、処女ですか?っていう質問? あれを紫乃が聞かれるたびに私は笑いを堪えられないよ。 いつの時代の話をしているのやら。みんな考えが古いねぇ。』 「違います!! 異界の匂いがするって…またねって言われたの。」 アキは面白そうな表情を見せた。 『へぇ、よっぽど勘がいい子なんだろうね。 またねということはまた会いに来るって事だろう? ならば私も会ってみようかな。』 「うん…。」 だけど、紫乃は何となく嫌な予感がしてならなかった。
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