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「だから、父親代わりのようなことをするのか?」
「父親か…そうだね。」
「アキよ。谷から突き落とすのも厳しさ所以の愛だぞ。」
「参考にしとくよ。」
「それはそうと、俺を攻撃した連れの女の霊から聞いた話だが幽界の夜店に、穿とやらが頻繁に通ってるそうだ」
「あー…成る程ね。」
アキは穿が何故そこにいるのか大方予想がついていた。
「まぁ、この件は紫乃には言うな。今回は私が動こう。」
そう言うとアキは現界へと降りていった。
イツキは一言呟いた。
「アキは一体どうするつもりなのか…。
穿とやらはかなり下層界へと堕ちていっているが…。
私は…堕ちていく弱い者など興味ない。いつまでもこの弱いままではいたくない。
いつか野狐霊などではなく高級霊へと這い上がり、神より力を賜わり、人々を救いたい。
」
イツキは天を仰いだ。
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