0人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前なんか弱いくせに、何も知らないくせに、うぜぇ。
俺は強い者に従う。
可愛くて力もあるあいつが今は俺の主人なんだよ。
お前なんかよりよっぽどいい。
お前なんか興味すらない。」
冷たい視線が見下ろす。
「せ…ん…。」
泣きたくなんかないのに嫌でも涙が伝う。
それでも私は…あなたの事が…好きで…。
ごめんなさい。
…穿。
穿は舌打ちし、紫乃を起こして風の刃で突き飛ばした。
紫乃は全身に傷を負う。
「失せろよ。お前は俺の猫被りに騙されてただけ。あれは本当の俺じゃない。お前のごっこに付き合ってやっただけ」
穿…
せん…
ごめん…。
ごめん…ね。
嗚咽を漏らすように泣く。
もう私は私をやめたい。
私なんかいらない。
私という意識を手放したかった。
最初のコメントを投稿しよう!