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「その女主人ってあたしのことかなぁ?」
長い髪をかき上げる。ミニスカートに細い脚が印象的な可愛らしい少女だった。
「アタシの穿ちゃんをイジメないでくれる?」
「君がその主人なんだね。成る程。」
「言っておくけど、穿ちゃんはアタシのものだから誰にもあげないわよ。
それとー、あなたも結構良い感じのイケメン君だね。」
微笑みながら少女はアキに近寄る。
アキの腕に触れ、見上げた。力が発動する。
「ねぇ?そんな弱ーくて地味でなーんにも出来ない女より、アタシといようよ?アタシなら何でもできる。力もあるわ。 」
アキの額に烙印の紋様が浮かび上がる。
古い咒式だとアキは思った。
雪華が以前に連れてきた霊団に使用していた術とほぼ同じなような気がする。
この咒式は黒魔術に類似しているが、肉体を持つ者がこの咒式を使用してハンデがない筈がない。
使っている本人は果たしてそのハンデに気付いているのだろうか。
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