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「守護霊以外は全て悪霊だと思う時点でまだ頼りない霊視だなぁ。
私はこれでも、紫乃の守護霊からは了承済みなんだよ?」
アキは苦笑している。
「いつの間にそんな話に…ってそんな事言ってる場合?あの人、アキを調伏して使役しようとしてる気がするんだけど…。」
「その感じはあるね。とりあえず、私が相手をするよ。
今回は彼の霊力を削いで、支援霊の契約をリセットする必要があるね。契約がなくなればあの霊達も自由になる。」
見守ろうと思っていたが、気が変わった。やはり、紫乃に任せるのはまだ早い。
それに、相手の標的は自分だ。
故に紫乃は安全といえるし、紫乃はまだ…力を使いこなしていない。
「アキ、…ダメ!」
紫乃は嫌な予感がしてならなかった。
「私は大丈夫。」
紫乃の頭を撫で、アキは優しく微笑んだ。
紫乃を背に前に出る。
タイキは紫乃の横に立つイツキを睨みすえた。
「蛇に狐か…。
二体揃ってこの子の霊力が目当てだな。」
イツキは怒気を孕ませ、タイキを睨む。
「聞き捨てならぬな。人間。我らはそなたらと違う。
そなたは血による契約を交わし、力を分け与え使役霊を操るが、我らは契約などしておらん。
ただの仲間。友と呼ぶ間柄だ。とやかく言われる筋合いはない。
」
イツキも薙刀を構え紫乃の前に出る。
アキを横見、囁いた。
「俺は使役霊を抑える。アキは人間を頼む」
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