第1幕『璃乃』

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(卯)「このマンションは『細波家』の所有する物で 『細波家』が使ってるのはココから下、3階までです。 中から繋がってるようになってます。 各階にお風呂も付いてますから安心して下さい。 それから………」 卯月さんの丁寧な案内は続いて ようやく私の部屋に辿り着いたみたいだった。 (卯)「こちらが璃乃さんの、お部屋になります。 女性なので内側から鍵がかかるようになってますので 安心して下さいね? 他の兄弟達の仕事の都合もあり壁は防音になってます。 璃乃さんもチェロをお弾きになられるのですよね?」 「あ…は、はいっ」 (卯)「ですから、気兼ねなく弾いて下さいね?」 「ありがとうございます!」 (卯)「いつか…聴いてみたいですね」 「そ、そんな…っ。 人に聴かせられるようなものじゃないですよ!」 (卯)「クスッ。そんな謙遜を…。 お父様から聞いてますよ。お上手だと…」 (あの人は…また、よけいなことを…) (卯)「では…私は仕事なので出かけますが 鍵はこちらになりますので…」
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