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容姿が目立つナターシャは転校初日から古川のいじめのターゲットにされた。
ナターシャは留萌でも慣れっこだったので、あまり気にもとめていなかった。
だが、同じクラスの阿倍野美羽は手を差しのべる。
ナターシャは美羽と性格がかなり異なっていたが、抜群に馬が合い、仲良くなっていった。
「あ、なんか怒っとるん?」心配そうに美羽がナターシャを見つめる。
「別に怒ってない」
「やっぱり機嫌悪いんなー。ごめんなー」
楽しくやっていた2人に古川が苛立ち、いじめのターゲットは2人となった。
どうも美羽はずっと古川からいじめを受けていたようだった。
だから古川にしてみれば、美羽はずっと虐げられる存在だったのだろう。
ナターシャはそれがどうにも許せず、力を奮って問題に対処しようとした。結果問題は解決する。
その日の夕方、地元の地主の孫で一大権勢を誇っていた古川にナターシャは右アッパーをかます。
悪意なく美羽を「知恵遅れ」とのたまったのが直接の原因だった。
その間、そばで美羽はずっと涙をぼたぼた流して泣いていた。
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