プロローグ

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日常は、突然奪われた。 「いやだー!母さん!ちよ!」 長い黒髪の少女が、歪む空間に呑まれていく母と妹に手を伸ばす。 「とよ!今は逃げて!」 母に突き飛ばされ、絶望的な瞳は涙に濡れて、それでも手を伸ばす。 『お姉ちゃん…いつか助けに来て…。今は逃げよう…。』 揺れる、影のような妹が、とよを歪みから引き離す。 「…う…わぁあぁぁー!!」 泣き叫びながら、ただそこから、逃げることしか出来なかった。
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