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控えめなんだけど、明るくて、
子柄で華奢で、
風でもふけば飛ばされるんじゃないかって体つきなのに、
話すと、なんか年上なんじゃないかってさえ感じる、そんな彼女。
最近、必ず俺に笑顔で話しかけてくる。
だから、俺も彼女の姿を見つけると、
右手を挙げて、よっ!って挨拶しなきゃって体か反応する。
女って面倒くさい!
そんな考えだったけど、彼女はそのたぐいではない。
話しかけてくるときは、好感がもてるほど、いつも爽やかな笑顔を見せてくれるから。
授業中、隣でヤツが妙なことを言い出した。
「彼女、俺に気があると思わない?」
「……は!?」
「だって、いつも上目遣いで俺をみてくるんだって。エロいよなー、あの目つき。」
彼女とは、俺も最近仲良くなった彼女のこと。
「上目遣いなんて、いつしてた??」
こいつ何を、言い出す。
ただ、彼女は、背が低いから、上を見上げてただけだろ。
「可愛いと思わない??」
…………かわいい?
……どうだろ、いい子だとは、思ってるけど、
そう言う目で見たことなかったからなぁ…。
同じ教室の、少し離れた席で実習中の彼女を目で追って、改めて顔をまじまじと見る。
真剣な表情の彼女、
こじんまりとした顔立ちだが、目はパチリとした美人系といったところだろうか…。
じっーーっと、見ていた俺の視線を感じたのか、彼女の瞳が俺を見て、バチッと視線が合わさった。
その瞬間、俺の胸がドキっと波打ち鼓動が早くなる。
目が合った彼女は、一瞬口元がニコッと緩んで、また真剣な表情で作業を続けている。
隣でヤツ(男友達)が、
「あ、でも、ちなっちゃんも可愛いよねー。」
「は?誰だよ、ちなっちゃんって!」
「山本千夏だよ、あそこにいる巨乳。」
指差した女を見たが、全然可愛くねぇし。
あんな女と、
彼女と比べるのは失礼だろ…。
こんなヤツには、絶対彼女は渡したくない…。
………って、俺は彼女の何なんだよって話だよな…。
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