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ーー数ヶ月後。
放課後、コバちゃんって呼ばれている実習仲間の女に声をかけられた。
「ちょっと話あるからさー、来てくれない?」
「はなしって何?」
いきなり過ぎて、びびる俺。
「んー、ここじゃちょっと…、
……いいから来て!」
なんか、やな予感。
前にも体育館裏に呼び出された記憶がよみがえる。
その時は、知らない女子に、告られたんだった、
コバちゃんかー、
もし告白だったら………付き合うとかマジ無いな。
まじ、気まずいわ。
それか、これから、俺は集団リンチにでも合うのだろか…。
誰かに恨まれるような生き方した覚えはないんだけど。
「いいから、早くきて!」
しぶしぶ、コバちゃんのあとをついていく俺。
コバちゃんは、非常階段のドアの前につくと、
「呼んだのは私じゃなくて、この中だから!」
俺にドアの外に出るように言った。
ガチャっとドアを開けて外に出ると、
そこには、いつも爽やかな、あの彼女が立っていた。
彼女は、今から俺に何を話す??
ドキドキ鼓動が早くなる。
と、同時に、コバちゃんに告白されるのかと思って、びびってついてきた自分に恥じる。
そして、
コバちゃんに告白されるんじゃなくて、良かった!なんて、思ってしまった。
「イキナリ呼び出されて、ビックリしたよね、ごめんね!」
彼女は、向かい合って言った。
「どうした?話って…。」
「…あのね、凄い、好きです…、
大好きです。付き合ってください。」
彼女は、緊張した声でそう言った。
「うん、いいよ。よろしくね!」
俺は、心の底から、告白されたのが彼女で良かった!
なぜか安心して、そう答えていた。
それに、ヤツにとられるくらいなら、
彼女は、俺の女になってくれ!
そんな気持ちさえしていた。
すると、彼女は、
「え??いいの??」
と、目を丸くして聞く。
自分で告白して、なぜ、そんな反応なんだ?
今更、取り消しとかしないよね?
「うん。付き合おう。」
「嬉しい。ホントは振られると思ってた…、でも、ダメでも3回振られるまでは諦めないつもりだったんだ。」
緊張が溶けたようで、笑って言う彼女が、堪らなく可愛いく思えた。
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