第一章

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付き合いだしてからの彼女は、 俺に告白してくれた彼女の大胆さが、微塵もなくて、 控えめで、あの日の彼女がまるで別人のようだ。 俺に遠慮しているのか…? 正直、付き合う前の方が、話をしていた気がする。 学校では、なかなか2人きりになれない。 「すき」って、言われた俺は、彼女のことが気になって仕方がないのに…。 他の男と授業中、話をしている彼女が目に入ると、 何をそんなに楽しそうに笑ってるんだ って、イラってしてる、ちっちぇー俺。 これって、完全に彼女にハマってる。 嫉妬なんて、初めてする感情に、戸惑いながらも、 好きになるのに、理由なんかないんだって、初めて知った……。 俺に話しかける彼女、 少し照れたように、俺を見る瞳が、可愛くて、 彼女を知れば知るほど、彼女をもっと知りたくなった。 バイトまでの間、少しのデート、 といっていいのか、 放課後、一緒に喫茶店でお茶したり、公園のベンチで話をして過ごす。 思えば、デートなんてしたことない俺は、気の利いたことなんか全然できなくて…。
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