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「おい、それでどうするんだ?」
「勿論、尾行するのよ。お兄ちゃんは残念な人だから、私達がフォローしないとね」
洋一と明美を見つめる2つの影は、双子の小学生の拓也と聡美だ。
どうやら歳の離れた兄である洋一が心配になり、勝手について来たらしい。
「僕達にどんなフォローが出来るんだ? それに兄ちゃんは、こんなに細かくデートプランを考えているから大丈夫じゃないかな?」
そう言って拓也は、予定がぎっしりと書かれた用紙を聡美に見せる。
「げっ、キモッ! ……余計に心配だわ。拓也もあの優しい明美さんがお姉ちゃんになったら嬉しいでしょ?」
「そりゃあ姉ちゃんにはなって欲しいけどさ……」
「じゃあ行くわよ! 私達でお兄ちゃんの告白を成功させるのよ!」
こうして拓也と聡美は、洋一の知らない新しい服装で、帽子を深く被りながら尾行を開始した。
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