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バスが行ってしまったところで、
「いつから兄妹になったのよ!? なんなら私の方が誕生日早いでしょうが!! 何のつもりなのよ!!」
優衣が泣きながら怒鳴った。
「優衣が意地でもバスに乗ろうとするからだろ!!」
負けずに俺も叫く。
「乗るよ!! バス通だもん!! 乗るに決まってるじゃん!! 何で乗っちゃいけないの!? 律は何でここにいるの!? 進路相談は!?」
「優衣の事、一人に出来ないだろ!! 進路相談だってちゃんとやったわ!! おかげで俺の志望大学東大だわ!!」
「何でよ!! 高校生にもなって一人で帰れないわけないでしょ!! てゆーか、律が東大に入れるなら、ハーバード行けちゃうわ、私!!」
「進路の事、ちゃんと考えてなかったから、瞬時に浮かんだ大学がそこしかなかっただけだわ!! …帰せられないだろ。優衣、泣いてるのに。泣いてる優衣を、放っておけるわけないだろ」
「……ッ」
俺に泣いている事を指摘された優衣が、言い返す事を辞め、泣き出した。
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