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「そうかな。優衣が事故に遭わなくても、優衣が可哀想な目に遭わなくても別れ話は出てたかな。優衣とギクシャクしてなかったとしても、律くんは私と別れたいって思ったかなぁ!?」
優奈さんが、太股の上で握り拳を強く握った。
「優衣の事故がなくても、優衣とはギクシャクしてたと思う。優衣にさ、『幼なじみだからって、彼女持ちの男と仲良くするのは良くないから、幼なじみは終了します』って言われてさ。…すっごく嫌だった」
思い出しては、俺の眉間にも皺が寄る。
「『俺が、バカでガキだから』…かぁ。陳腐な別れ話だなぁ。幼稚園児だって、好きな人と幼なじみを天秤にかけたら、好きな人の方を取るよ。
ハッキリ言えばいいじゃん。『俺が好きなのは、優奈さんじゃなくて優衣なんだ』って」
優奈さんが、涙目で俺を睨んだ。
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