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「優衣も同じだと思うんだよね」
優奈さんが、鼻をかんだティッシュを手で丸めると、ごみ箱に投げ入れた。
ガサツキャラは続行するらしい。
…てゆーか、本当にキャラなのか? 地なんじゃないの? まぁ、どっちでもいいけど。こういう優奈さん、嫌いじゃない。
「何が?」
「優衣が律くんや私との間に壁を作ったのはさ、私と律くんが付き合い出してから、優衣も律くんへの気持ちに気付いたんじゃないのかな。で、苦しくて見るのも嫌。みたいな。
だって、言ってる事とやってる事が違うってゆーか、中途半端なんだもん。優衣。
優衣、『律とお姉ちゃんに会いたくない。顔を見るのも辛い』って言ってたくせに、私を探すって名目で律くん駆り出してみたり、私に写真を送るって態で、球技大会の時に律くんの写真大量に撮ってみたり。ただ自分が欲しかっただけのくせに」
優奈さんが、この場にいない優衣を思い出しては『フッ』と鼻で笑った。
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