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--------------翌日、早起きをしてマンションのエントランスで、優衣を待ち構える。
晃と別れた優衣は、きっと1人で登校するつもりだろうから。
…くっそ眠い。と、顎外れるんじゃないか? という程の欠伸をかましていると、エレベーターが開いて、中から目の周りを真っ赤に腫らせた優衣が出てきた。
「優衣!!」
優衣の傍に寄ると、
「…おはよう。こんな早くにここで何してるの?」
質問しておきながら答えを察している優衣は、顔を強張らせて俺を見上げた。
「おはよう、優衣。一緒に学校に行こう」
それでも優衣の質問に答えると、
「それはナシに決まってるでしょ。私はご存知の通り振られましたけど、律にはお姉ちゃんがいるでしょ。私、本当に1人で大丈夫なんだって。学校くらい1人で行ける」
優衣は、俺の案の定な返しに嫌々感を隠す事なく見せ付けると、俺の横を通り過ぎようとした。
優衣は優奈さんから何も聞いていないのだろう。
「別れたんだ。優奈さんと」
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