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「俺、その日は全試合調子良かったけど、決勝戦なんか1点入れただけで、後半ボール触ってないし。優奈さんに見せれる程の活躍してないじゃん。なんでそんなに撮ったの?」
優衣の『好き』が聞きたくて、さっきから質問攻めだ。
「…分かんない」
でも、優衣は『好き』とは言ってくれない。
「…優衣も、俺の事が…好きだから…じゃないのかな?」
遂に『好き』を諦めて『はい』か『いいえ』で答える質問に切り替える。
「……」
無言の優衣。
なんなら、もう1回『分かんない』で逃げれる問いかけだったのに。
「…優衣も、俺の事が好きって事にしませんか?」
優衣の腕を引き、自分の方へ引き寄せようとすると、
「律は!!」
優衣が急に大きな声を出しては、引っ張られまいと腕に力を入れた。
「…何?」
「…律は、お姉ちゃんを抱いた手で、私にも触るの?」
苦しそうな声を出す優衣。
優衣が赦せないのは、事故の時、優衣を助けなかった事だけじゃなかったんだ。
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