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少しの間抱き合いながら、久々にたわいもない会話を交わすと、2人で家に帰るべく、学校を出てバス停に向かう。
隣には優衣がいる。
優衣がいるだけで心が安らぐ。やっぱり優衣じゃなきゃダメなんだ。と再確認。
程なくバスは来て、優衣と隣同士で椅子に座る。
こうやって優衣とバス通するのもいいなぁ。なんて、1人でほんわかしていると、
「ねぇ、律」
優衣が渋っい顔で、そんなオレを見ていた。
「ん? 何? どうした?」
「ウチらの事、親に何て話そうか?」
「何てって?」
「いやぁ…。ウチのお母さんさ、まだ律の事あんまり良く思ってなくてさ。…なのに、『お姉ちゃんと別れて次は私と付き合います』なんて言っちゃったら、どうなってしまうんだろうと思ってさ」
優衣が『うーん』と唸りながら、人差し指と中指でこめかみを擦り出した。頭痛がしてきたらしい。
…確かに。姉の次は妹って…。親側からしたら微妙なリアクションしか取れないだろうな。
「大丈夫!! 頭下げて下げて、地底まで下げまくってでも、優衣との事承諾してもらうから。優衣の親にも、俺の親にも。だから、優衣は何にも心配しなくて大丈夫だよ。俺に任せて」
優衣を安心させようと、笑顔を向けるも、
「…うん」
優衣は不安たっぷりに頷いた。
…俺って、そんなに頼りないの?
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