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そんな優衣と、マンション前でバスを降りる。
マンションのエントランスを通り抜け、2人で同じエレベーターに乗り込んだ。
優衣の家がある階のボタンを押して、俺の家のある階のボタンも…押すのをやめた。
「優衣。今から優衣ん家行ってもいい?」
「今から!?」
『イヤイヤイヤ。急すぎる』と来ちゃダメと言わんばかりに、優衣が俺のシャツを掴んだ。
「だって、先延ばしにしたくない。言うのは早い方がいいと思う。こそこそしたくないんだよ。ちゃんとしたいんだ。優衣にも堂々と俺の家に遊びに来て欲しいし」
『だから、いいっしょ』と優衣に同意を求める。
「ごもっともだし、律の気持ちは嬉しいんだけど…心の準備が出来てない」
それでも渋る優衣。
「心の準備なんかいらないんだって。俺から全部話すから。頼って下さいよ」
だから、押し切る。優衣を説得して晴れて付き合える様にまでなった今日なら、勢いでイケる気がする。
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