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「…そっか。ゴメン。頭に血が上ってつい…」
優衣は、優奈さんや優衣のお母さんの言う通り、ずるい所もあるし、すぐ拗ねる奴だけど、自分が悪いと思ったらすぐに反省して謝るコだ。そこが優衣の良いところ。
「今日の優衣は暴走しすぎ。俺から話すって言ったのに、何の相談もなく変な嘘言い出すし」
そんな優衣の頭を撫でながら、ちょっとした嫌味を。だって、まじで驚いたし、困ったし。
「…腹黒い事をしてゴメン」
途端しょんぼりし出す優衣。
「『腹黒い』って認めちゃうんだ? てゆーか、別にそんな事ないっしょ。ちょっとずるいなとは思ったけどさ。だって優衣、自分を悪者にして、俺との事を認めてもらうだけじゃなくて、優衣のお母さんと優奈さんを仲直りさせたかったんだろ?」
きっと、それに気付いたから、優奈さんも優衣のお母さんも、優衣を弄りながら結託したんだと思うし。
優衣の思惑とはちょっと違う形になってしまったのだろうけど、優奈さんと優衣のお母さんの間には、見る限り壁はなくなった様に思えたから。
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