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「あ、そうだ。コンビ二でお菓子買って、俺ん家来ない? だいぶ前に予約してたゲーム、ウチにあるから。優衣としたくて、まだ俺も手をつけてないんだ」
前に1人で受け取りに行ったゲームは、何となく1人でやりたくなくて、やっぱり優衣としたくて、箱から出してさえいなかった。
「まじか!! 行くに決まってる!!」
完全に機嫌が直った優衣と、ルンルンでコンビ二に入る。
優衣とお菓子コーナーで新商品を物色していると、
「あれ? 優衣ちゃん?」
20代半ば位の女の人が、優衣の名前を呼んだ。
「あ、千夏さん。お久しぶりです」
優衣が『千夏さん』というその女の人に軽く会釈をした。
「あ、千夏さんは、入院してた時にお世話になった看護師さんだよ」
優衣が俺に千夏さんを紹介すると、
「はじめまして。広瀬千夏と申します。えっと…優衣ちゃんのお友達?」
千夏さんが自己紹介をしてくれた後に、気まずそうな素振りをした。
そっか。千夏さんは、優衣の彼氏は晃だと思ってるんだ。
それに優衣も気付いた様で、
「あ、こっちは幼なじみ…じゃなくて、彼氏の律です」
優衣が俺を『彼氏』として紹介してくれた。
「優衣の彼氏の律です。はじめまして」
嬉しかったから、自らも『彼氏』と名乗ってしまう。
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