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「優衣って進路、大学進学希望だったよね? どこ大?」
「え? 急に進路の話? …一応、N大希望。今の成績だとちょっと微妙なんだけど、望みは高くって事で」
突然話題を変えた俺に返事をすると、優衣は再びお菓子を選び始めた。
優衣の成績で微妙となると、俺の成績じゃ絶望に近い。
イヤ、でもあと2年あるし、今から頑張ればまた奇跡の補欠合格出来るかもしれない。
「俺もN大に行く」
そう宣言する俺に、
「アレー? 東大じゃなかったっけ?」
優衣が意地悪く笑った。
「いい加減忘れろよ。俺、優衣と一緒にいたいから、同じ大学に行く」
「イヤイヤイヤ。同じマンションに住んでるんだから、律が遠方に進学して引越さない限り、普通に会えるじゃん。大学は自分の行きたいところに行くべきだよ」
俺の希望に、優衣が至極まともな意見で反論した。
優衣の言っている事が正しい。でも、
「N大って、総合大学じゃん。さすがに学部は自分が興味のあるところにするけど、優衣と一緒にキャンパス歩いてみたいんだもん」
大学生になっても、優衣の隣にいたいんだ。
「じゃあ、絶対受からなきゃだなー。私、第2希望と第3希望、女子大なんだよね。あぁー。プレッシャー」
『不安だ』と言いながら頭を抱える優衣。
俺、尚更不安。今度近くの神社にお参りしとこう。2人共N大合格させて下さい!! って。無理なら2年後に、優衣の第2希望と第3希望の大学を、突然共学にして下さい!! って。
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