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「『優衣のお姉さん』て。間違いじゃないんだけど、私にも一応名前があるので。あ、優奈って言います。どうも。私、この近くでバイトしてるんだ」
優奈さんの名前は知っていたけれど、馴れ馴れしく呼んでいいものか迷って敢ての『優衣のお姉さん』呼びだったのが、優奈さんは気に入らないらしい。
そんな優奈さんが『今日、お給料日だったから奢ってあげるよ』と俺の手からパンを抜き取った。
「自分で買います。お茶とかも一緒に買いたいんで」
優奈さんに持たれたパンを奪い返そうとするも、
「いいよいいよ。私の飲み物と一緒に払っちゃうから。どれが飲みたいの?」
優奈さんは、パンを返す事なく俺に『お茶を選べ』と促した。
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